4:
◯永井隆文議員 おはようございます。公明党市議団の永井隆文でございます。
まず初めに、新型コロナウイルスの感染拡大が日に日に広がりを見せている状況であります。今後の市民生活、また地域経済への影響が大変懸念されているわけでありますけれども、新型コロナウイルスの一日も早い収束を心から願うとともに、市民の皆様におかれましても、日々の正確な情報のもと、冷静な対応にご理解とご協力をお願いするものであります。
それでは、通告に従いまして、大きく3点にわたりまして質問させていただきます。ご答弁のほど、よろしくお願いいたします。
まず、認知症対策についてであります。一昨年の12月
定例会でも質問させていただきました。2025年には、65歳以上の5人に1人が認知症に罹患すると見込まれている中で、厚生労働省では、2015年に、認知症施策推進総合戦略、いわゆる新オレンジプランを策定し、本市におきましても、この国の指針にのっとって、認知症対策が具体的に進められているという状況でありました。そこで本日は、その対策について、現状を踏まえ、質問させていただきます。
まず1番目に、認知症サポーターについてであります。
前回のご答弁では、認知症サポーター養成講座を受講された方が1万5,520人、小中学校、高等学校、専門学校でも開催され、1,546人の児童生徒が受講されているということでありました。児童生徒をはじめ、多くの市民の皆様に、認知症への理解を深めるための普及啓発が進められているということは、認知症高齢者が安心して暮らせる優しい地域づくりが着実に進んでいるという証左であり、大変すばらしい取組であります。
一方で、この養成講座を受講され、認知症サポーターになられた方々が、その後、その知識を生かしてどういった活動ができるのか、そういったことについても支援していくことが大変重要ではないかと思うわけであります。養成講座を受講された方の中には、家族の中に認知症の方がいるので、何らかの役に立てればとの思いで受けられた方、また、とりあえず知識を習得したいと考えて受けられた方、また、地域で貢献できればとの思いで受けられた方、様々おいでになろうかと思います。大勢の方が認知症サポーターになってくださり、認知症に対する理解を深めていただいたわけでありますから、そういった方々が地域において活動の場を広げていただけるような取組を、ぜひ進めていただきたいと思います。
そこで、質問として、本市における現在の認知症サポーター数と地域で活躍できる環境整備の取組についてお伺いいたします。
次に、2番目として、徘徊高齢者等SOS事業「QRコードシール」についてであります。
愛媛県内初のこの取組は、昨年9月よりスタートし、事前に登録していただいた徘徊する可能性の高い高齢者に、連絡先などの情報が入力されたQRコードシールを配付、衣服等に貼っていただき、早期発見につなげるものであります。このQRコードシールを市民の皆様にも理解していただく必要があります。
そこで質問といたしまして、このQRコードシールを配付された人数とその周知についての取組をお教えください。
徘徊するおそれのある高齢者が行方不明になった場合、夜間は、特に発見が難しくなってまいります。そういった観点から、靴などに貼る登録番号が記された反射材シールを配付する事業を行っている自治体もございます。
そこで質問でありますけれども、QRコードシールと反射材シールを併用して利用すれば、早期発見、また事故の未然防止に大いに役立つのではないかと思いますが、ご所見をお伺いいたします。
3番目に、認知症カフェについてであります。
私の友人で、ご両親ともに認知症で、介護サービスを利用しながら、在宅介護をされている方がおいでになります。ご両親の介護の様子も時折聞かせていただくことがあります。この友人は、大変一生懸命に親の介護をされておりますけれども、ご自身の苦労話をされるということはありません。ご自身の仕事もされながら、ご両親の面倒を見ていくことは、並大抵のことではありません。しかも毎日のことであります。友人の話を聞かせていただきながら、その大変さというものが、ひしひしと伝わってくるわけであります。その友人が話し終わった後に、「今日は話を聞いてもらえて本当によかった」と言われて、大変うれしそうな顔をされていたことが、大変印象に残っております。本市においても、親の介護をされながら、一生懸命頑張っておられる方が大勢いらっしゃいます。国が進めている認知症対策の一つが、認知症カフェの設置であります。認知症の人やその家族、医療や介護の専門職、地域の人など、誰もが気軽に参加でき、それぞれの思いや考えを共有し合える集いの場であります。
そこで質問でありますが、認知症カフェについて、本市における現状と今後の展開についてお尋ねいたします。
次に、教育現場における相談支援体制について質問させていただきます。
今や、学校においては、いじめや不登校、児童虐待、貧困など対応しなければならない事案は数多くあります。その背景には、友人関係のトラブル、学習・進学の悩み、家庭内不和、経済事情など、様々挙げられます。そこで、こうした事案に対応するため、専門的な視点を生かした支援の必要性が求められており、スクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラーと言われる人たちが全国の学校現場に配置されております。
そこで1番目の質問として、本市における児童生徒に対する相談支援体制と現状についてお伺いいたします。
次に、スクールロイヤーについてお尋ねいたします。
あまりなじみのない言葉ではありますが、スクールロイヤーとは、学校内でのいじめや不登校、体罰、虐待、教職員と保護者のトラブルなど、様々な問題について、子供の利益を念頭に置き、法律の見地から学校にアドバイスをする弁護士のことであります。
昨年1月に、千葉県野田市で、小学校4年生の女子児童が、父親からの虐待により死亡するという大変痛ましい事件がありました。この事件では、野田市教育委員会が、虐待を訴えた女子児童の学校アンケートの写しを、父親に強く迫られて、渡してしまったことが問題になりました。スクールロイヤーのような弁護士がいれば、適切な対応がなされていたのではないかとの指摘もされております。今、教育現場での諸問題に対し、法的なアドバイスが有効かつ必要な場面が多くなっております。また、教員の長時間勤務が深刻な問題となる中、法による専門的な知見を取り入れられることは、スクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラーと同様、現場の教職員の負担軽減につながるものであります。
そこで2番目の質問として、本市のスクールロイヤーの認識と導入についてのお考えをお伺いいたします。
次に、本市における地域公共交通についてであります。
私の初めての一般質問で、一番身近な公共交通機関であるバスの路線図について質問させていただきました。目的地に行くためのバスの乗り方がわからないという市民の声を代弁させていただきました。その後も、停留所まで行くことが大変である、また、乗り継ぎが大変だ、便数を増やしてほしいなど、いろいろな声を聞かせていただきます。
そこで、1番目の質問としまして、前回のご答弁では、今後立ち上げる今治市地域公共交通活性化協議会で検討してまいりたいとのことでありましたが、今治市の主要な場所が入った、また、誰もが見て分かりやすいバス路線マップの作成について、どのように検討がなされ、どうお考えなのかをお教えください。
地方におきましては、人口減少、住民の多くがマイカーを利用しており、地域の公共交通機関を取り巻く環境は、大変厳しい状況がずっと続いております。しかしながら、今後も、超高齢社会が急速に進んでいく中で、運転免許証の自主返納も増えていくでありましょうし、移動手段を持たない高齢者の増加も見込まれます。移動手段のない市民の皆様にとりまして、地域の公共交通機関はなくてはならないものであります。今後は、持続可能な、その地域に応じた公共交通網の構築が喫緊の最重要課題になってまいります。
そこで2番目の質問として、鉄道、バス、タクシー、それからコミュニティーバスやデマンドタクシー等の活用も含めて、今後の本市における公共交通網をどのようにされようとしているのか、お考えを具体的にお教えください。
5:
◯堀田順人議長 答弁を求めます。
6:
◯菅 良二
市長 永井議員のご質問の中で、冒頭、認知症と友人のというのがありました。たしか母上が一昨年に米寿の祝い、とても元気そうな姿を見て、「ああ、本当にいいお母さんを持ってよかったな」と思ったわけですが、お友達のことにまで配慮しながら、認知症対策というのは非常に重要であります。私ども、本当にこれは当事者でないと分からないつらさといったものがあるわけでございますが、この問題は、後ほど健康福祉部長からということになります。
私からは、地域公共交通についてのうち2番目、本市の公共交通網についてに関しまして、お答えさせていただきます。
人口減少や自家用車への依存の高まりとともに、公共交通を取り巻く環境が厳しさを増す中、利便性と経済性の両面に配慮した、誰もが利用しやすく、持続可能な公共交通体系を構築することは、とりわけ人口減少に苦しむ過疎自治体の共通の課題であります。
本市におきましては、平成30年2月に、交通事業者、住民代表、関係行政機関等で構成する今治市地域公共交通活性化協議会を設置し、まちづくりと連携した持続可能で利用しやすい公共交通の指針となる今治市地域公共交通網形成計画の策定を進めてまいりました。現在、3月末の策定に向けて、取りまとめを行っているところでございます。
本計画では、「みんなでつくり、守り、育てる公共交通」を基本理念とし、「安全で快適な暮らしを支える公共交通をつくる」、「まちづくりと連携する持続可能な公共交通をつくる」、「みんなで公共交通を守り、育てる」の3つの基本方針のもと、各種事業を推進することとしております。令和2年度以降、交通事業者、地域住民、行政が連携し、それぞれの役割を果たしながら、路線バスの運行の効率化や利便性の向上を図るとともに、必要に応じて、多様な交通手段の導入の可能性についても検討を開始いたします。また、待合環境の整備やバリアフリー化の推進、小中学生、高齢者を対象としたバスの乗り方教室のほか、サイクリング等の観光振興策や集客施設との連携など、公共交通の利用促進につながる事業も展開してまいります。これらの事業を順次実行していく中で、その成果をしっかりと検証しながら、着実に計画を推進し、引き続き、市民の皆様が安心して暮らせる公共交通ネットワークの構築に努めてまいりたいと考えております。
その他のご質問につきましては、関係理事者からお答えさせていただきますので、よろしくお願いします。
7:
◯石丸 司健康福祉部長 永井議員ご質問の認知症対策について、私からお答えさせていただきます。
まず1番目、認知症サポーターについてでございます。認知症サポーター養成講座を受講された方は、現在1万9,172人でございます。養成講座では、認知症に対する正しい理解と認知症の方やそのご家族を緩やかに見守るということを目的に実施してまいりましたが、受講後のサポーター支援といたしましては、認知症に対する理解をさらに深めていただくステップアップ講座も開催し、これまでに252人に受講いただいております。今後は、こうした講座受講後のサポーターに対しまして、認知症イベントや地域課題を検討する会議への参加協力など、それぞれのサポーターが可能な範囲で活躍できる機会を設けてまいりたいと考えております。
次に、2番目の徘徊高齢者等SOS事業「QRコードシール」についてでございます。まず、QRコードシールの配付枚数ですが、広報誌へのチラシの折り込みや、各地域包括支援センターを通じまして周知し、先月末までに148人に配付いたしております。今後は、QRコードシールのさらなる普及と、永井議員ご提案の夜間徘徊の安全対策に役立つ反射シール素材への見直しも検討してまいりたいと思っております。
次に、3番目の認知症カフェについてでございます。認知症カフェは、家族介護者の負担軽減の場だけではなく、地域とのつながりを築く場として、現在、介護保険事業所など5か所で、月1回から2回開催しているところでございます。しかし、誰もが気軽に利用できる認知症カフェであるにもかかわらず、その目的や存在が十分に知られていない、そういったことから利用が少ないというのが実情でございます。このため、今年度は、今治市主催の体験型認知症カフェを開催し、認知症カフェを体験していただく事業を実施いたしました。今後も、認知症カフェを活用した取組を通じて、家族介護者の負担軽減等を図ってまいりたいと思います。
以上でございます。
8:
◯田坂 敏
教育長 永井議員ご質問の教育現場における相談支援体制についてに関しまして、私からお答えいたします。
まず、1番目の児童生徒に対する相談支援体制と現状についてでございます。本市の支援体制でございますが、教育と福祉の両面に専門的な知識を持ち、課題解決の中心となって支援を行いますスクールソーシャルワーカーを9校に、臨床心理士などの専門的な資格を持ち、心理的な相談業務を行うスクールカウンセラーを11校に、また、元教職経験者や民生委員など、各学校の校区に在住し、児童生徒や保護者との相談活動を行うハートなんでも相談員を28校に、それぞれ配置して、様々な相談に対応しております。
次に、相談の現状でございますが、昨年1年間では、延べ8,955人の児童生徒、保護者、教職員が相談員との相談活動を通して、問題の早期発見や早期解決につなげるなど、成果を上げております。
続きまして、2番目のスクールロイヤーの認識と導入についてでございます。近年、学校では、いじめや不登校をはじめ、保護者による虐待や育児放棄など、学校だけでの対応では解決できない事案が徐々に増えてきているのが現状でございます。このような背景を踏まえ、教育委員会といたしましては、外部の専門家や専門機関と連携し、相談員や教職員をサポートする体制の構築が重要であると考えております。特に、法律の専門家である弁護士から助言を受けることで、難解な事案についても解決の糸口が見いだせるものと考えております。
愛媛県では、学校からの要請に応じて、電話相談や派遣要請ができるスクールロイヤー活用事業がございます。本市におきましても、年間数件ほどではございますが、スクールロイヤーよりご助言をいただき、事態が好転した事例もございます。今後も、有効な活用について研究を進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
9:
◯越智 博副
市長 永井議員ご質問の地域公共交通についての1番目、バス路線マップについてに関しましてお答えさせていただきます。
現在策定中の今治市地域公共交通網形成計画では、誰にでも分かりやすく、利用しやすい環境整備を重要な課題の一つとして捉えており、具体的な施策として、複数の交通事業者や交通手段を統合した路線、ダイヤ等の分かりやすい発信を掲げております。そのため、令和2年度に、今治市地域公共交通活性化協議会におきまして、これまで交通事業者が個別に提供していた運行情報を一元的に取りまとめ、バス路線だけではなく、複数の交通手段を統合した公共交通マップを作成し、広く発信することを予定しております。また、この機会に合わせまして、各交通事業者のホームページや時刻表等の媒体につきましても、改善、改正を促してまいりたいと考えております。
以上でございます。
10:
◯堀田順人議長 以上で答弁は終わりました。
再質疑、再質問はありませんか。
11:
◯永井隆文議員 議長。
12:
◯堀田順人議長 永井隆文議員。
13:
◯永井隆文議員 ご答弁、大変ありがとうございました。
認知症対策についてでありますけれども、2番目のQRコードシールにつきましては、大変前向きなご答弁もいただきました。そんなに経費がかかることでもございませんので、ぜひ速やかに検討していただいて、進めていただけたらと思っております。
また、認知症カフェにつきましては、やはりご答弁にもありましたように、市民の皆様になかなか認識されていない、まだ認知症カフェの目的についても理解されていない状況が、本当に現実であろうと思います。いろいろな機会を見て、ぜひ、認知症カフェにつきましても、行政を通して発信していただけたらと思っております。
それから、教育現場における相談支援体制についてでありますけれども、先ほどご答弁にもありましたように、この1年間で延べ8,955人もの児童生徒等の相談が上がっているということでございます。聞いておりまして、大変多いなというのを実感しております。教職員の皆様、また関係各位、大変ご苦労が多いのではないかと思うのですけれども、ぜひ、子供たちが、本当に悩んでいる、苦しんでいる、困っているときに、安心して相談できる支援体制だけは、しっかりと整えていただけたらと思っております。
それから、地域公共交通についてであります。
ここで再質問させていただけたらと思っております。
ご答弁の中にもありましたように、令和2年度に向けまして、バス路線も含めまして、あらゆる交通事業者を含めた公共交通マップを、令和2年度に策定していくということでご答弁がございました。このことについて確認でありますけれども、この公共交通マップ、令和2年度に確実に作成されるのかどうか、もう一度、確認の再質問させていただけたらと思います。
14:
◯越智 博副
市長 お答えします。
公共交通マップの作成につきましては、今治市地域公共交通活性化協議会の実施予定事業として、令和2年度内に作成する予定でございます。
以上でございます。
15:
◯堀田順人議長 再質疑、再質問はありませんか。
16:
◯永井隆文議員 議長。
17:
◯堀田順人議長 永井隆文議員。
18:
◯永井隆文議員 再質問させていただきます。
公共交通マップ、しっかりと、ぜひ令和2年度に作成をお願いできたらと思います。この公共交通マップが作成された折には、市民の皆様への周知についてどのように考えているのか答弁を求めます。
19:
◯越智 博副
市長 お答えします。
作成した公共交通マップについては、各支所、公民館への配置や転入届の際の窓口での配布とともに、交通事業者、観光関係者はもちろん、自治会等関係団体のご協力を得て、配布を行う予定でございます。また、本市をはじめ、交通事業者、関係団体のホームページにも掲載するなど、幅広い方法で周知してまいりたいと考えております。
以上でございます。
20:
◯堀田順人議長 再質疑、再質問はありませんか。
21:
◯永井隆文議員 議長。
22:
◯堀田順人議長 永井隆文議員。
23:
◯永井隆文議員 ご答弁、大変ありがとうございました。
以上をもちまして、質問を終わらせていただきます。
24:
◯堀田順人議長 再質疑、再質問なしと認めます。
以上で永井隆文議員の質疑、質問を終わります。
次に、2番黒川美樹議員。
25: ◯黒川美樹議員 それでは、
発言通告に従い、私からは、後日予算特別委員会でも詳細審議されますが、今回、新規事業も多くある中で、市民の皆様とともに共有して知っておきたいと思ったことをピックアップしまして、質疑させていただこうと思います。
議案第13号「令和2年度今治市一般会計予算」から、まずは、先ほど永井議員が質問されましたものと重なりますけれども、いま一度確認ということで、歳出2款1項11目のうち、地域公共交通活性化協議会負担金についてお伺いします。
今般、高齢者による運転免許証返納の全国的な増加や、人口減少による交通網の見直し等で、デマンド型交通やコミュニティーバスの運行を行う自治体も増えていく中、今治市においても、その機運が高まっていることと思います。一昨年9月に一般質問で取り上げました際に、地域公共交通の関係者で課題を共有し、相互に連携しながら、地域の実情に応じた公共交通のあるべき姿を実現することを目的にした今治市地域公共交通活性化協議会が設けられ、2か年で今治市地域公共交通網形成計画を策定されるとのことでした。市域が広い本市ですが、地域それぞれの交通事情も違いますし、また、本市はサイクリストや外国人などの観光客誘致に積極的に取り組まれようとされているわけですが、観光客のユーザビリティーも、今後考慮していく必要があるかと思います。このたび、計画の策定期間を終えるかと思いますけれども、当初予算で計上されている協議会負担金の使途について、もう少し詳しく教えてください。
次に、歳出3款2項1目のうち、結婚・妊娠・出産・育児切れ目のない支援事業費についてお伺いします。
人口減少、少子高齢化社会の真っただ中、少子化対策と銘打って、内閣府においては、結婚・妊娠・出産・育児切れ目のない支援の強化に取り組んでいるようです。愛媛県では、平成20年から、愛媛県独自の結婚支援事業を開始しており、平成20年から26年までの6年間で、延べ6万8,000人が参加、400組を超える結婚報告があるそうですけれども、課題として挙げられているのが、そもそも婚活に自信がなく、出会い以前の問題であることや、多数の成婚やよいアドバイスなどデータの蓄積があるものの、それらが生かし切れていないという実情があるそうです。
さて、今治市においては、平成25年度より、出会い交流応援事業が開始されており、直近ですと、クリスマス時期に、出会いのイベントを開催されています。こういった出会いの場というのは、実際利用するに至るには、先ほどの愛媛県の課題とも重なりますが、婚活の場へ行くモチベーションが必要で、このまちで、心身ともに安心して暮らせるという期待と実感が伴わないと発展していかないと思います。行政としても苦慮されているところかと思いますが、様々な
選択肢を用意し、市民のサポートをすることに関しては期待しております。
そこで、令和2年度に計上されている家族を作ろうサポート事業についてどのような取組なのか、委託料の詳細について教えてください。
次に、歳出5款1項1目のうち、外国人受入環境整備事業費についてお伺いします。
実質的な労働開国直前の、昨年3月議会で一般質問した際、新たな外国人材の約65%を占める技能実習生、また今後増えていくであろう特定技能1号の方々が、より安心して、今治市での生活をしてもらえるよう、行政のサポートについてご提案もしてまいりました。今回新たに計上されております外国人受入環境整備事業のご説明によると、技能実習生など、増加する外国人労働者のための、多言語対応も可能なワンストップ型相談窓口を2か所に設置予定とお聞きしました。今治市国際交流協会との連携によるものと思いますが、具体的にどのような事業展開になるのか教えてください。
最後に、先ほどと少し関連しておりますが、歳出7款1項2目のうち、地域産業支援事業費補助金についてお伺いします。
毎年、地域産業支援事業は行われているかと思いますが、その中で、今回新たに外国人技能実習制度移行対象職種追加認定関係に150万円が計上されています。技能実習生にまつわる深刻な問題についても、昨年の一般質問で取り上げましたが、技能実習生と雇用側の適切な関係の構築は、受入れ監理団体のみならず、行政においても見過ごさずに取り組んでいただきたいところです。今回、計上のご説明によると、タオル仕上げを外国人技能実習制度移行対象職種に追加するため、国への申請に必要な認定基準の作成等を行う経費の一部補助を行うとのことですが、その内容について、もう少し詳しく教えてください。
以上です。
26:
◯堀田順人議長 答弁を求めます。
27:
◯菅 良二
市長 黒川議員ご質疑の議案第13号「令和2年度今治市一般会計予算」についてのうち2番目、歳出3款2項1目結婚・妊娠・出産・育児切れ目のない支援事業費についてに関しまして、私からお答えさせていただきます。
人口減少、そして少子高齢化は、労働者人口や消費人口の減少に伴う地域経済の縮小を招き、さらには、福祉や医療の担い手不足、教育・保育施設の統廃合など、高齢者や子供に関するサービスの低下も懸念されるなど、深刻な社会問題となっております。
本市におきましても、今後、人口減少が進むと見込まれており、その原因の一つに出生数の減少が挙げられ、平成30年の1,007人から、令和元年には840人と、167人減少しております。
この背景には、人口減少に加えて、晩婚化や生涯未婚者の増加も要因の一つと考えられますことから、令和2年度から取組を拡充し、結婚を希望する人を応援する、家族を作ろうサポート事業を実施することといたしました。
これまでにも、年1回、男女の出会いを応援するイベントを開催してまいりましたが、希望者も多いことから、来年度は年3回に増やし、婚活イベントを開催いたします。さらに、1対1のお見合いをサポートする「愛結びコーナー」を毎月4回、総合福祉センターに開設いたします。えひめ結婚支援センターが運営する愛結びシステムに登録していただくと、データを閲覧することができ、気に入った相手がいれば、愛結びサポーターが引き合わせから結婚に至るまでのサポートを行うというものでございます。
一方で、結婚の意思はあるものの、異性への接し方が分からない、結婚して子供を持つことについて不安に思われている方もおられます。こうした方には、婚活に当たっての異性への接し方や、妊娠、出産に関する講座の開催を通じ、不安の解消を図ってまいります。
なお、これらの事業は、出会いイベントや愛結びシステムにより、多数のカップルを誕生させた実績のあるえひめ結婚支援センターに委託して実施いたします。いずれの事業も、すぐに効果が現れるというものではないのかもしれませんが、イベント参加者へのアンケート調査などから検証を行い、ニーズの把握や内容を見直しながら、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
その他のご質疑につきましては、関係理事者からお答えさせていただきますので、よろしくお願いします。
28:
◯越智 博副
市長 黒川議員ご質疑の議案第13号「令和2年度今治市一般会計予算」についてのうち、1番目の歳出2款1項11目地域公共交通活性化協議会負担金についてに関しまして、お答えさせていただきます。
本市におきましては、交通事業者、住民代表、関係行政機関等で組織する今治市地域公共交通活性化協議会において、観光振興等のまちづくりと連携するとともに、本市の将来の公共交通の指針となる今治市地域公共交通網形成計画の策定を進めているところでございます。計画期間は令和2年度から6年度の5年間で、計画に位置づけられた様々な施策を、協議会が主体となり、実施スケジュール、事業主体、評価指標等を定めた上で、順次実施してまいります。
令和2年度に協議会が実施する事業経費としまして、負担金428万8,000円を計上しておりますが、事業内容としまして、次の3つを予定しております。
1つ目は、地域公共交通の効率化、再編に向けたワークショップの開催でございます。利用が低調で、バス路線の維持が課題となっている島嶼部、陸地部において、公共交通の現状、課題を共有するとともに、運行の効率化、あるいは路線バスに限定しない他の交通手段導入の可能性など、地域の実情にふさわしい交通体系の構築に向けて、地域の皆様とともに検討を行うものでございます。
2つ目は、利用しやすい環境整備の一環としまして、公共交通バス路線を含む複数の交通手段を統合した公共交通マップの作成でございます。
そして3つ目は、これまで公共交通を利用していない小中学生、高齢者等の利用機運の醸成につながるバスの乗り方教室の開催でございます。
今後、これらの事業を着実に推進し、将来にわたり持続可能で、かつ誰もが利用しやすい公共交通網の実現に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
29: ◯安井 孝産業部長 黒川議員ご質疑の歳出5款1項1目外国人受入環境整備事業費についてお答えいたします。
我が国には、既に多くの外国人が暮らしており、在留者は273万人を超えております。本市におきましても、今年の1月末実績で、3,517人の外国人居住者がおり、そのうち約63%を占める2,230人の外国人技能実習生が本市の基幹産業を支える貴重な労働力になっております。そして、昨年の出入国管理及び難民認定法の改正により、今後ますます増加していくものと思われます。
このような状況を受け、今治市内に居住する全ての在留外国人が、日常生活に必要な情報を取得したり、相談が行えるよう、一元的な相談窓口を開設することで、外国人が安心して暮らせるよう支援を行うとともに、お互いに地域の一員であるという多文化共生の意識醸成を図ろうとする事業でございます。
相談窓口の概要といたしましては、設置箇所は、本庁営業戦略課と、第3別館にございます今治市国際交流協会の2か所とし、受付時間は市役所の執務時間中としております。対象者は今治市内に住所を有する外国人、今治市内へ転入を予定している外国人、技能実習生の監理団体などでございます。対応言語は、本市における在留人口の上位4か国に対応できる英語、中国語、韓国語、ベトナム語としております。相談の方法につきましては、原則として、相談日時や内容を専用フォームにて事前予約していただくこととしておりますが、直接窓口での問合せやeメールでの問合せにも対応できるようにいたします。
この窓口を設置するための機器購入費や窓口運営のスキルアップに必要な研修会の開催経費、PR経費などにつきましては、昨年創設されました外国人受入環境整備交付金を活用いたしたいと考えております。
今後、関係機関へポスター、チラシの配布や、市ホームページでの周知により、相談窓口開設の情報が外国人にしっかりと届くよう努め、外国人が相談しやすい窓口づくりを進めてまいります。
また、このスキームを、より実効性のあるものにするために、今治明徳短期大学の留学生や愛媛SGGクラブ今治支部の会員へ依頼し、4言語の通訳者3名ずつを確保することで、多言語対応ができる体制づくりを進めるとともに、相談内容によって、取り次ぐべき関係機関とのスムーズな情報交換、連絡体制の構築を行います。さらに、多文化共生の地域づくりを進めるため、外国人向けの暮らしの便利リーフレットの作成や、外国人が日常生活で必要とする日本語教室を今治市内各所で開催する予定でございます。
次に、歳出7款1項2目地場産業支援事業費補助金のうち、外国人技能実習制度移行対象職種追加認定についてお答えいたします。
国内最大のタオル産地である今治地域において、120年を超えて連綿と受け継がれてきたタオル製造に関する技能のうち、耳巻きやヘム縫製などのタオル仕上げは、タオル製品を仕上げるために必要不可欠な工程であり、特にギフト用の製品を強みとする今治タオルは、多様な縫製技能に支えられています。現在、縫製及び今治地域のタオル製造関連工場においては、ベトナム、中国、インドネシアなどからの外国人労働者が技能実習を実施しております。
一方で、昨年6月のNHKの番組の放送を受け、今治タオル工業組合としては、外国人技能実習生の労働環境の改善を図る取組と法令遵守などの周知徹底を図るため、業界全体での行動規範、方針の策定、コンプライアンス研修やセミナーの開催にあわせて、技能実習制度の理解を深める研修会を継続して実施しております。
また、外国人技能実習生を受け入れている現場から、実習生の送り出し国にも、タオル仕上げの技能実習の習得のニーズがあるという声が今治タオル工業組合へ寄せられているところでございます。
しかしながら、現行の技能実習制度においては、実習開始1年目の技能実習1号から2年目の技能実習2号への移行が可能な対象職種に、このタオル仕上げに該当する職種が設定されていないため、受け入れた実習生に技能を習得させようとしても、引き続いて、2年目の実習に移行できないという制度上の課題がございます。
これらの状況を受け、今治タオル工業組合に加盟する組合員や縫製会社も含めた業界の総意に基づき、今治市内の産業支援機関や愛媛県、今治市が一丸となって、技能実習法施行規則第10条第2項に規定する技能実習の移行対象職種にタオル仕上げを追加認定していただくよう、所要の手続を進めていこうとするものでございます。
そのため、国への申請者となる試験実施機関を一般財団法人今治地域地場産業振興センターが担い、一連の手続に係る経費の一部を今治市と今治タオル工業組合が助成することで、今治地域地場産業振興センターが海外の実習ニーズの把握や関係者との意見調整、また、所管省庁などとの各種協議、調整を重ねながら、評価試験案並びに技能実習計画の審査基準案を作成し、認定審査に必要なヒアリング対応等を行ってまいる予定でございます。
以上でございます。
30:
◯堀田順人議長 以上で答弁は終わりました。
再質疑、再質問はありませんか。
31: ◯黒川美樹議員 議長。
32:
◯堀田順人議長 黒川美樹議員。
33: ◯黒川美樹議員 分かりやすく説明いただき、ありがとうございました。
いずれの事業もよりよく運用していただくことを期待します。
再質疑はございません。ありがとうございました。
34:
◯堀田順人議長 再質疑、再質問なしと認めます。
以上で黒川美樹議員の質疑、質問を終わります。
35:
◯堀田順人議長 次に、1番丹下大輔議員。
36: ◯丹下大輔議員 権輿会の丹下大輔でございます。通告に従いまして、新型コロナウイルス感染症対策についてお尋ねいたします。
中国武漢市を発生源とする新型コロナウイルスは、国境を越え、瞬く間に我が国にも感染拡大し、猛威はとどまるところを知りません。改めて、お亡くなりになられた方々のご冥福を衷心よりお祈り申し上げますとともに、患者の皆様の一刻も早いご回復と感染拡大の事態収束を願ってございます。
さて、本
定例会冒頭の施政方針において、菅
市長より、対策室を2月3日に設置し、2月27日に対策本部に切り替え、全庁的な危機管理体制のもと、感染拡大に全力を挙げてきたとのご報告を受け、市民の不安解消と早期の収束に向けて、国や愛媛県、関係機関とも連携しながら、万全を期して取り組むとの方針が示されました。
新型コロナウイルスの驚異的な感染拡大は、国内はもとより、愛媛県内でも感染者が確認され、市民の間でも戦慄が走り、日々不安と恐怖感が覆い尽くす状況が続いています。引き続き、市民生活と経済活動、教育現場、医療現場などへの影響とリスクを最小限度に抑制、低減し、市民の不安を取り除くことが重要と考えます。
そこで、お尋ねいたします。市民はどこにアクセスすれば正確な情報が得られるのか、市民に対し、迅速かつ正確な情報提供を図るため、本市の情報発信手段をお教え願います。また、市民からの様々な問合せに対する本市の相談窓口体制の現状について伺います。
2番目に、本市における経済的影響についての見解を伺います。相次ぐイベントや行事の中止により、宿泊業、旅行業、飲食業や観光関連産業、また世界経済の減速による本市の基幹産業への影響も懸念されますが、予想される経済的損失についての認識をお聞かせください。
3番目に、愛媛県と本市との連携体制についてもお聞かせください。
次に、「2025年問題」に直面する本市の高齢者福祉と要介護高齢者の自立支援について、お尋ねいたします。
団塊の世代が75歳以上を迎える「2025年問題」。本市の第7期高齢者福祉計画・介護保険事業計画によれば、総人口比に対する高齢化率は、2018年34.2%に対し、2025年は35.3%に上昇。また、要支援・要介護認定者数も、2018年1万1,571人に対し、2025年には1万2,230人へと増加。これに伴う介護給付費は、2015年148億968万円に対し、2025年は178億1,130万円と推計され、2015年からの10年間で約30億円の増となる見込みであります。まさに、今後、要支援・要介護認定者は増加し、介護給付費は膨張を続けます。加えて、急速な少子化と現役世代の減少による本市が直面する人口減少の歴史的構造危機は、支え手の減少を引き金に、介護保険財政と介護サービスの持続可能性を懸念する声が広がっています。
一方、介護現場に目を転じれば、我が国において、2025年には、2012年の水準と比較し、介護職が90万人から100万人の追加的人材確保が必要と指摘され、本市も、介護分野における人材不足の深刻化が予見されます。同時に、施設待機者の増加や介護を理由とした離職者の増加など、今後、「2025年問題」に向けた潜在的課題が一挙に噴出し、鮮明化すると考えます。今こそ、遠望するまなざしで、中長期的な視点に立ち、良質な安心・安全・納得の介護サービス提供と介護現場を起点とした強靭な環境整備は焦眉の課題と言えます。
そこで、お尋ねいたします。
1番目に、「2025年問題」を受け、本市の高齢者福祉や介護現場は、いかなる課題が表出するのか。また、本市独自の課題とは何か。あわせて将来にわたる課題への現状認識について、ご所見を伺います。
2番目に、現在の介護分野における人材の充足状況をお示しください。また、「2025年問題」で指摘されているように、本市も人材不足に陥らないのか、将来の見通しについてもご所見をお聞かせ願います。
3番目に、現在の施設待機者数と今後の見通し、また、これに伴う本市の対策について現状をお聞かせください。
4番目に、本市における介護離職者の現状と本市の対策についてお示し願います。
次に、要介護高齢者の自立支援についてお尋ねいたします。
第7期高齢者福祉計画・介護保険事業計画では、要介護認定率が20%以下となるよう努めると明記されており、要介護認定率抑制には、本市が重点的に取り組む介護予防、健康づくりなどの施策は有効と考えます。ところが、既に要介護認定を受けた要介護高齢者と介護現場に視点を移したとき、新たな課題が浮き彫りになります。その課題とは、要介護高齢者が、仮に、介護事業者による適切なケア、リハビリによって要介護認定が改善したとしても、現在の
介護保険制度では、かえって介護事業者の報酬が減るという制度的な矛盾を抱えています。例えば、要介護4の高齢者が、介護事業者による懸命なリハビリやケアサービスで、要介護度が2段階改善されると仮定します。事業所への報酬は、例えば要介護4の場合は約30万円。しかし、要介護2に改善すれば、約20万円の事業所への報酬となり、介護事業者は10万円減額されることになります。結果、報酬が減額されることで、介護現場に従事する職員の低賃金化、さらにモチベーション低下による介護現場からの離職者や転職者も増え、介護事業者全体のサービスが低下するという悪循環を生み出しています。
そこで、私は、これらの負の連鎖を断ち切り、好循環を生み出す仕組みが必要だと考えます。具体的には、要介護度改善に積極的に取り組む介護事業者を正確に評価し、成果報酬を付与することで、介護事業者も意欲を高め、適切に収入を得る。社会的にも職員の努力やスキルが適正に評価されるアウトカム方式と財政的インセンティブの導入こそ、課題解決の一歩と考えます。この結果、介護事業者同士、介護認定の改善に向けた健全な競争により、サービスの質は格段に上がります。改善した要介護高齢者は、生活の質の向上と自尊心の回復、健康寿命の延伸、家族の介護負担軽減につながります。何より、多くの要介護高齢者が自立に向かえば、介護給付費を抑制し、ひいては持続可能な社会保障にもつながると考えます。
先進事例は、川崎市の「かわさき健幸福寿プロジェクト」であります。要介護高齢者は、ケアマネジャーを中心に、訪問介護やデイサービス、通所リハビリテーションなどの介護事業者によるチームケアとともに、1年間かけて、要介護状態の改善、維持に向けて取り組みます。川崎市は、要介護度や日常生活動作などの改善、維持につなげた事業者のケアを評価し、
市長表彰、5万円の報奨金、事業所に貼れる認証シールなどのインセンティブを贈呈します。この結果、喫緊では363事業者、643人の参加者のうち96人、全体の14.9%の要介護度が改善され、このうち要介護度を2以上改善された方が37人との成果を出しています。これら川崎市により整備された健全な競争環境のもと、介護事業者は、サービスの質を向上させ、事業所職員の意欲向上にもつながり、また、要介護高齢者も前向きなチャレンジ意欲を持ち、リハビリに励みます。例えば、家に閉じ籠もり、周辺とのコミュニケーションを絶っていた高齢者が、本プロジェクトに参加することにより、要介護度改善で身体機能が回復し、日常生活を取り戻し、地域活動に参画するケース。また、認知症の軽減により、家族の負担軽減につながるなど、一人一人に寄り添った良質な介護サービスが展開されています。
また、岡山市では、通所介護に限定し、独自の表彰、奨励金制度を設け、上位10か所の事業所に対し、成果報酬として10万円を付与しています。結果、要介護度改善により、年間7,000万円の介護給付費を抑制し、後期高齢者医療費も1億3,000万円の抑制効果を得ています。
さらに、東京都品川区では、特別養護老人ホームや介護老人保健施設などで、要介護度が1段階改善すれば、奨励金2万円を付与する制度を設けています。
これら先進自治体の動向や介護現場からの要望を踏まえ、政府は、平成29年、介護保険法改正により、各自治体に対する200億円の予算措置として、保険者機能強化推進交付金を創設いたしました。本年度も、令和2年度予算案で、新たに介護保険保険者努力支援交付金の200億円を盛り込むなど、要介護高齢者の自立支援に成果を得た介護事業者を評価する財政的インセンティブの流れは、今後、2021年4月の介護報酬改定に向けて、急速に強まるものと考えます。
そこでお尋ねいたします。本市では、介護状態になる前の予防に力を入れてきましたが、これら政府や他の先進自治体の動向を踏まえ、本市も要介護状態からの維持、改善、自立、回復にも力を入れるべきと考えますが、これまでの取組状況を伺います。
さらに、自立支援を積極的に推進し、成果を得た介護事業者を評価する財政的インセンティブ導入は、本市が抱える「2025年問題」の解決につながると考えますが、この提案に対するご所見をお聞かせ願います。
以上でございます。
37:
◯堀田順人議長 答弁を求めます。
38:
◯菅 良二
市長 丹下議員ご質問の新型コロナウイルス感染症対策についてのうち1番目、市民への正確な情報発信と相談窓口体制についてと3番目、愛媛県との連携体制についてに関しまして、私からお答えさせていただきます。
新型コロナウイルス感染症への対応につきましては、本市におきましても、早くから危機感を持って取り組んでまいりました。
1番目の市民への正確な情報発信と相談窓口体制についてでございますが、本市におきましては、国内で感染者が発生し始めた1月28日より、市のホームページにおいて、国から公表された国内での発生情報などとあわせて、市民の皆さんへのお願いごととして、感染予防策などの情報発信を行っております。
日々刻々と状況が変わる中、ホームページでは、常に最新の情報を発信するとともに、FMラヂオバリバリの行政インフォメーションでのお知らせとあわせて、ツイッターやフェイスブックなど、SNSによる注意喚起を行っております。また、広報いまばり3月号への記事の掲載に加え、株式会社マイタウン今治新聞社にもご協力をいただき、2月29日号で、予防対策や相談窓口についての記事を掲載したところでございますが、そのほかにも、国が作成した感染症予防ポスターなどを今治市内各施設に掲示するなど、広く周知を図っております。
次に、相談窓口の体制でございます。感染の疑いのある方などの受診相談、一般的な健康相談は、主に今治保健所で行われておりますが、本市の対策本部にも、3月9日現在、45件の問合せや相談があり、マスクの供給が不足していることへの懸念や、今治市内で感染者が出たといううわさの確認といったものが多く寄せられております。愛媛県内でも感染が確認される中、今後とも、正確な情報をできるだけ早く、また、分かりやすく発信、伝達することで、市民の不安を軽減し、安心・安全を守っていきたいと考えております。
愛媛県で2例出た際の愛媛県の対応。それから、愛南町で、「えっ」と皆さん、私どももびっくりしました。女性の会社員といったことで、一体どうなんだと。しかし、私が立派だと思ったのは、株式会社伊予銀行の大塚頭取がいち早く、「伊予銀行愛南支店の職員であります。対応はしっかりしております」といったメッセージ、情報を、機敏に、風評被害を恐れることなく出された。私は、「さすが、愛媛県経済界のトップリーダーだな」と敬意を表しますとともに、私ども自治体を預かる者としても、しっかりと対応しなければならない。改めて、意識を持ったところでございます。
次に、3番目の愛媛県との連携体制についてでございます。現在、愛媛県においても新型コロナウイルス感染症対策本部が設けられており、国、愛媛県の方針や通知などにつきましては、愛媛県の対策本部から連絡が入り、各部局で対応できるものは速やかに、また、市民への影響の大きい事項など、その場での判断が難しいものについては、今治市の対策本部会議で検討した上で、速やかに対応することとしております。また、各保健所にも、現地対策本部が設置されております。こちらでは、主として、帰国者・接触者相談センターにおける感染の疑いがある方などの相談や判別、診療指導、検体採取、そして検査の結果、陽性であった方の行動把握といった業務が行われており、本市におきましても、今治保健所の現地対策本部と連絡をとりながら、対応しているところでございます。本市への影響も懸念される中、今後も、愛媛県や今治保健所、今治市医師会など関係機関とより緊密に連携しながら、万全の体制で感染拡大防止に努めてまいりたいと考えております。
その他のご質問につきましては、関係理事者からお答えさせていただきますので、よろしくお願いします。
(
発言する者あり )
39:
◯堀田順人議長 傍聴人、私語を慎んでください。
40: ◯安井 孝産業部長 丹下議員ご質問の新型コロナウイルス感染症対策についてのうち、2番目の本市への経済的影響についてに関しまして、お答えいたします。
現在、業界団体や金融機関などの関係機関を通じて、状況の把握に努めております。多くの業界に影響が出ているといった情報があり、特に旅館、ホテル、飲食業界への影響が大きく、各種行事、イベント等の中止や延期という措置が取られたことで、観光客、宿泊客の減少や宴会の自粛が広がり、かなり深刻であると認識しており、春の行楽シーズンを控え、さらに状況が悪化しないかと心配しております。建設業や製造業でも、原材料や部品調達の滞りが見られるなどの影響が出ており、今後長引くことにより、業種を問わず、直接的または間接的に、大きな打撃を受ける可能性が高まっていると考えております。
こうした事業者への経済対策として、経済産業省や愛媛県においては、資金繰りに支障が生じている中小企業者向けの融資制度の特例措置をはじめとする各種経済支援策が講じられており、今治商工会議所や越智商工会、しまなみ商工会等でも、速やかに経営相談窓口が開設されております。
また、今治市といたしましても、このような経済情勢に備えまして、従前から、事業者の資金繰りを円滑にするため、中小企業経営安定化資金融資制度を設け、低利での運転資金の貸付けといった支援を行っているところでございます。
なお、3月7日に、安倍首相が新型コロナウイルスに関連した経済対策として、実質的に無利子・無担保となる新しい融資制度の創設を発表いたしましたので、その内容が明らかになり次第、制度の周知と活用への支援に努めてまいります。
今後も、事態の悪化や長期化のおそれがあるため、関係機関と連携しながら対策を協議してまいりたいと考えております。
以上でございます。
41:
◯石丸 司健康福祉部長 丹下議員ご質問の高齢者福祉と要介護高齢者の自立支援について、私からお答えさせていただきます。
まず、1番目の「2025年問題」における本市の現状と将来にわたる課題についてでございます。本市においても、2025年には、介護や支援を必要とする後期高齢者人口が増加し、介護サービスの需要増加が見込まれることから、介護現場での人材不足は大きな課題であると考えております。特に、山間部や島嶼部において高齢化が進行しており、地域の実情に応じて、介護や見守りの担い手を確保する必要があります。また、介護給付費の増加が続いているため、持続可能な
介護保険制度を構築することが求められてございます。
次に、2番目の介護分野における人材の充足状況と将来の見通しについてでございます。担い手となる若年世代は減少し、介護分野における人材不足は大きな課題でございます。その対策として、外国人材を雇用する介護事業所も出てきております。今後、さらに生産年齢人口の減少が見込まれる中、介護職員の処遇改善や復職支援など、介護を担う人材の安定的な確保と育成に努めてまいります。
次に、3番目の施設待機者数の現状と対策についてでございます。特別養護老人ホームへの入所を希望する在宅待機者は、昨年4月1日現在で244人となってございます。待機者解消に向けては、今後の人口動態や要介護認定者数の推移を見守りつつ、必要な施設整備について、次期介護保険事業計画策定の中で検討してまいりたいと思います。
次に、4番目の介護離職者数の現状と対策についてでございます。本市では、家族を介護するため仕事と介護の両立ができなくなり退職に至ったという介護離職者数は把握できておりませんが、介護をしながらも働き続けることができるよう、24時間対応の定期巡回・随時対応型訪問介護看護の事業所整備を推進するなど、在宅サービスの充実を図っているところでございます。また、事業主向けの働きやすい職場づくりセミナーの開催や家族介護者への相談支援や健康の確保を図っていく取組も進めているところでございます。
5番目の要介護高齢者に対する改善・自立に向けた本市の取組についてと、6番目の財政的インセンティブの導入については、関連がございますので、一括してお答えさせていただきます。
国においては、2025年及びその先の現役世代の減少が顕著となる2040年に向け、介護予防・健康づくりの推進、いわゆる健康寿命の延伸を掲げており、本市においても、今後より一層の介護予防、健康づくりに力を入れてまいりたいと考えております。要介護高齢者につきましては、通所介護事業所等において、高齢者が自立した日常生活を営むことができるようサービス提供しているところですが、丹下議員ご提案の利用者の状態改善に成果を残した事業者へインセンティブを付与するという制度は、事業所の意欲の向上にもつながるものと考えられます。こうした中、2018年度の介護報酬改定で、利用者の日常生活動作を維持・改善させた割合が一定レベルを超えた通所介護事業所については加算を認めるなど、既にアウトカム評価が導入されておりまして、次回の改定においても、さらに拡大することも検討されてございます。こうしたことから、本市における財政的インセンティブの導入については、今後の介護報酬改定等を注視するとともに、先進自治体の事例、動向を参考に調査研究を重ねてまいります。
以上でございます。
42:
◯堀田順人議長 以上で答弁は終わりました。
再質疑、再質問はありませんか。
43: ◯丹下大輔議員 議長。
44:
◯堀田順人議長 丹下大輔議員。
45: ◯丹下大輔議員 新型コロナウイルス感染症対策につきましては、現在、危機であり、非日常的であり、さらに現在進行形であります。
市長リーダーシップのもとで、全庁挙げての取組に、心から期待を寄せたいと思いますが、2つほど提案させていただきたいと存じます。
まず1つが、今日の愛媛新聞の報道でもございましたけれども、日経平均株価が大幅に下落した。さらに、日本銀行の愛媛県内金融経済概況も下方修正という、愛媛県内、国内においても、相当に経済への影響というのは押し寄せてまいりますし、本市にとっても、経済的損失というものは相当に影響があると、私は思っています。国も様々な支援メニューを、今後次々と矢継ぎ早に出してくると思います。そうしたメニューに対して、地元の経済の、経営者の皆様や事業所の皆さん、そういった様々な幅広い声を受け止めながら、どの補助メニューを駆使し、活用すればいいか、そういった視点で万全の体制をとっていただきたい。このことを申し上げておきたいと存じます。
もう1点が、危機だからこそ、様々な情報が流布されます。デマといいましょうか、そうした情報も流れてまいります。だからこそ、正確性を有した正しい情報を迅速に発信していく、また、それを受け止めていただく市民の皆さんにもご理解をいただきながら、発信を共有していくということが、私は必要だと思います。ぜひ、相談窓口体制、それから情報共有の体制、より一層の万全の体制をしいていただきまして、この目に見えない未知なるものとの戦いに、ぜひ万全の体制で臨んでいただきたい。このことを申し上げておきたいと存じます。
それからもう1点、要介護高齢者の自立支援についてでございますが、様々申し上げたいことはございますけれども、今日はあえて提言という形でとどめておきたいと思います。実際に要介護の支援を受けていらっしゃるご高齢の皆さん方、改善であったり、回復を、一生懸命努力されていらっしゃる介護事業所の皆さんはいらっしゃる。しかし、今の
介護保険制度の中では、実はそれが報酬体系としてしっかりと受け止められていない。これが、制度の最大の問題でもあります。川崎市、品川区、岡山市の事例を挙げさせていただきましたが、まさに、この先進自治体から国の
介護保険制度の課題を変えていこうという動きが財政的インセンティブでもあり、介護報酬を変える、逆
介護保険制度と私は申し上げておりますけれども、そういう制度構築によって介護現場がよみがえってくる。また、安心な、良質な介護サービスを提供し得ると思っていますし、そういうセーフティーネットが整備されたまちだからこそ、これからも選ばれ続けるまちになっていくだろうと。そういう意味において、ぜひ、財政的インセンティブ、もっと前向きに、導入、検討、調査を求めたいと思いますし、この1年、介護報酬改定までの1年でございますけれども、本市においても、財政的インセンティブ導入に向けた私の提案をぜひ受け入れて研究いただきますことを、重ね重ねご提案申し上げまして、本日の質問を終わらせていただきます。
以上です。
46:
◯堀田順人議長 再質疑、再質問なしと認めます。
以上で丹下大輔議員の質疑、質問を終わります。
明日、定刻から本会議を開きます。
本日はこれをもって散会します。
午前11時30分 散 会
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